
中小企業が「マーケティングファネル」を作り、運用すべき理由
「マーケティング」と聞くと、なんだか難しそう、大企業がやるものでしょ、と感じるかもしれません。特に、従業員数の少ない中小企業にとって、日々の業務に追われる中で、新しいことに取り組むのは大変なことです。営業も社長一人がやっているのが現実という会社も多くあるでしょう。
しかし、もし今の営業やマーケティング活動の中で「どこを改善すれば売上が上がるか」がすぐにわかる方法があるとしたら、どうでしょうか?今回ご紹介する「マーケティングファネル」は、まさにその答えを教えてくれる、中小企業こそ取り組むべき強力なツールです。
マーケティングファネルとは、そもそも何なのか
「マーケティングファネル」は、見込み客があなたの会社を知ってから、最終的に顧客になる(購入する・注文する)までの道のりを分解して見える化したものです。
例えば、
認知: 会社や製品を知る
興味: もっと詳しく知りたいと思う
比較検討: 競合製品と比較する
商談: 問い合わせや相談をする
受注: 契約する
といったステップを、漏斗(ファネル)のように捉えます。それぞれのステップでどれだけの人が次のステップに進んでいるのかを数値で把握することで、「どこが一番弱いのか」が明確になります。
なぜファネルを構築・運用すべきなのか?
1. どこを直せば売上が伸びるかが即わかる
売上を増やしたいと考えたとき、どんな対策が考えられるでしょうか? 広告費を増やす、営業リストを増やす、といった方法をまず思い浮かべるかもしれません。しかし、本当にそれが一番効果的な方法でしょうか?それらの対策の結果、効果が得られなかったらどうしたらいいでしょうか。
ファネルを使えば、流入数、問い合わせ率、成約率などを数値で把握できます。たとえば、「ウェブサイトへの訪問者数は多いのに、問い合わせに繋がっていない」という課題が見つかれば、まずは問い合わせフォームを改善するといった、効果の高い部分から改善に取り組むことができます。
最も細くなっている部分(ボトルネック)に資源を集中させることで、限られた予算と労力で最大の効果を目指せるのです。
2. 人や勘に頼らない、再現性のある仕組みが作れる
現状の施策の中で弱点が見つけやすくなるわけですから、「あの営業担当者がいるから大丈夫」「社長の勘で決めている」といった、属人化された状態から脱却しやすくなります。
ファネルを設計し、各ステージでの対応を定型化すれば、誰が担当しても同じような結果を出せるようになります。たとえば、「ウェブから問い合わせがあったら5分以内に返信する」といったルールを徹底するだけで、見込み客の熱が冷める前のアプローチが可能になり、成約率の向上に繋がるかもしれません。
この仕組みは、一度作ってしまえば会社の「資産」となり、長期的に安定した集客と売上を生み出す土台となります。
3. 少ない予算でも投資効率が上がる
中小企業にとって、広告費を闇雲に増やすことは大きなリスクです。そもそもそこまで大きな予算を確保できるかどうかも確実ではありません。ファネルを運用すれば少ないリソースをどこに投資すべきかがデータに基づいて判断できます。
例えば、資料ダウンロード後の顧客へのフォローメールを自動化することで、営業の負担を減らしつつ、顧客の関心度を高められます。新しいウェブサイトを作る前に、まずは既存のコンテンツを改善する方が効果的かもしれません。
このように、ファネルは「最小の労力で最大の効果」を得るための道しるべとなります。
ファネルの設計例
「難しそう…」と感じるかもしれませんが、まずはシンプルな設計から始めるのがおすすめです。
<ステージと例となるアクション>
(1)訪問
記事や製品ページを閲覧する
(2)反応
資料をダウンロードする、メールマガジンに登録する
(3)商談
問い合わせフォームから連絡する、相談の予約をする
(4)受注
契約に至る
このようにシンプルに定義し、各ステージで何件あったか、次のステージに進んだのは何件かを記録するだけでも、大きな一歩になります。
GoHighLevel(GHL)をあなたのビジネスで活用するには
さて、マーケティングファネルの考え方を理解したところで、実際に運用するにはどうすれば良いのでしょうか?そこで役立つのが、多機能なマーケティングツールであるGoHighLevel(GHL:ゴーハイレベル)です。
特に、マーケティングにまだ十分なリソースを割けていない中小企業にとって、GHLはファネル運用を驚くほどスムーズにしてくれます。
1. ファネルの入口を自動化する
GHLを使えば、あなたの会社のウェブサイトに、魅力的なLP(ランディングページ)を簡単に作成できます。資料ダウンロードや無料相談といった「オファー」を盛り込んだフォームを設置し、見込み客の情報を自動で収集することが可能です。
もちろん、既にLPをお持ちであれば、フォームをGHLで作成し、既存のWebサイトに埋め込むこともできます。
2. リードナーチャリング(見込み客の育成)を自動化する
フォームから登録された見込み客には、あらかじめ設定した自動返信メールやSMSを即座に送ることができます。たとえば、「資料をダウンロードしていただきありがとうございます。こちらの記事も合わせてご覧ください」といった内容を自動で配信することで、見込み客の関心を継続的に引きつけ、育成することができます。
3. 営業との連携をシームレスにする
「資料をダウンロードした見込み客をすぐに営業に伝えたい」というニーズも、GHLなら簡単に実現できます。見込み客が特定の行動(例:フォームの送信、特定のページを複数回訪問)をした際に、自動で営業担当者に通知を送る設定ができます。これにより、熱意の高い見込み客をタイムリーにフォローし、商談につなげることが可能になります。
営業担当者が一人しかおらず(社長のみを含む)、常に外出していなければいけない場合も、スマートフォン上で確認ができますから、一度ファネルとオートメーションを実行してしまえばあとはパソコンの前にいなくても大丈夫です。
4. 顧客情報を一元管理する
GHLは、見込み客や顧客とのやりとり(メール、SMS、電話など)を一つのプラットフォームで管理できます。これにより、顧客がいつ、どのページを訪れ、どんなメールを開封したか、といった履歴がすべて残り、個々の顧客に合わせたよりパーソナルな対応ができるようになります。
まずは“ミニマム構成”から始める
「いきなり全ての機能を使いこなせるか不安…」という方もご安心ください。GHLを使ったファネル運用は、シンプルな構成から始めることができます。
LPを1枚作る: 価値あるオファー(無料診断、小冊子、導入チェックリストなど)を提示するランディングページを作成します。
フォームを設置する: 氏名、会社名、メールアドレスなど、最低限の項目で完了できるフォームを設置します。
自動返信と即時通知を設定する: フォーム送信後すぐに自動返信メールを送り、同時に営業担当者へ通知が届くように設定します。
ナーチャリングメールを3通用意する: 見込み客がフォーム送信後に、製品の価値、導入事例、費用対効果などを順に伝えるメールを自動で送るように設定します。
このミニマム構成でも、見込み客の獲得からフォローアップまでが自動化され、営業担当者が本当に「今、話すべき」相手に集中できる環境が整います。
GHLのようなツールを賢く活用することで、マーケティングファネルの運用は決して難しいものではありません。むしろ、効率的で再現性の高い営業・マーケティング活動の基盤を、少ない労力で築くことができます。
ぜひ、この機会にデジタルツールを使ったマーケティングファネルの構築に挑戦してみませんか?